2006-07-16から1日間の記事一覧

6/27 『第三の嘘』

作:アゴタ・クリストフ 訳:堀茂樹 一人称単数でありながら、前作までと同様曖昧な描写は用いられていない。本作の内容は一見矛盾のない様に思われるが、前作の結末故に、一体どこまでが真実なのか、この物語を語る主体は一体誰なのか、と云う疑問が沸き、…

『ふたりの証拠』

作:アゴタ・クリストフ 訳:堀茂樹 文体の引き起こす戦慄は、前作に劣るかもしれない。しかし、三人称ではあるものの、前作と同様の曖昧性を一切省いた文体が用いられており、それにも関わらず私は、そこに描かれている人物の、そこから感じ取れる感情に惹…

6/24 『羊たちの沈黙』

監督:ジョナサン・デミ 出演:アンソニー・ホプキンス、ジョディ・フォスター 素晴らしい演技。素晴らしい緊張感。狂気は知性と共に在って、最も恐怖を引き起こす。 関連商品(Amazon.co.jp) DVD

6/21 『阿修羅ガール』 此岸と彼岸

作:舞城王太郎 此岸と彼岸の均衡感覚において、田口ランディよりは優れているが、町田康には及ばない、といった感じである。主人公は自身の彼岸体験を相対化して見せているが、それに比べて作者が充分に相対化しきれていないような印象を受けた。尤も、臨死…

6/17 「愛している振りの可能性 −プロフェッショナルへのアウトソーシング−」

愛の不可能性について (ロリコンファル / kagami 氏) 愛している振りの可能性 −プロフェッショナルへのアウトソーシング− (同上) 僕が今まで「愛」に関する言説に対して抱いていた違和感を、この文章は上手く説明してくれている様に感じる。

6/13 『悪童日記』 文体の戦慄

作:アゴタ・クリストフ 訳:堀茂樹 一切の内面描写を含まず、曖昧さを省いたその文章に、しかし私は戦慄を覚える。このような文体で自らを記述する主体として描かれた「僕ら」は、その精神は、あまりにも強すぎる。 簡潔さ故に読みやすく、純文学読みにも、…

6/12 『時計じかけのオレンジ』

監督:スタンリー・キューブリック 主演:マルコム・マクダウェル 暴力、秩序、政治、世論。これらはどれも美徳にも悪徳にも成りうる。暴力者と為政者の馬鹿らしい茶番。正義の空虚さ。 関連商品(Amazon.co.jp) DVD

mixi 記事抜粋

今日付けの記事は、全て6月中旬から下旬の mixi の記事からピックアップしたものです(一部加筆修正あり)。