美術

水族館で生きものを撮る、ということ――Y.Ksmt22 氏 ‘A Little Aqua’ について

水族館で生きものを撮る、というのはどういうことだろうか。Y.Ksmt22 氏の組写真 ‘A Little Aqua’ を見ていて、そんなことを考えた。生きものそのものを撮るなら、水族館という人工的な環境ではなく、自然の中で撮った方が、ぶがあるように思われる。だから…

『冒険王・横尾忠則』展短評 ―― 契機、永遠かつ反復的な

横尾忠則氏の絵画は、わたしに解釈を促してくる。Friedrich Nietzsche の著作がそうであるように*1。かれの描く画面には、生成の,意志の,賭博の契機が現れている。永遠であるとともに反復的である契機が。意志をもたなければ、わたしはその前でただ圧倒さ…

森山大道写真展『凶区 -Erotica-』,『木村伊兵衛のパリ』展、短評

森山大道氏の写真は、平面的にも立体的にも二重に迫ってくる。 S.K. 氏の、木村伊兵衛氏の写真はなに一つ欠けてもいけない絶妙の均衡の上にある、という評は、言いえて妙だろう。色彩の配置も絶妙としか言いようがない。 関連ウェブサイト 森山大道写真展『…

皮膚に,身体に訴えかけ,圧倒してくれるアートへの期待――「現代美術の皮膚」展

11月29日に、中之島の国立国際美術館へ、友人2人と行ってきた。企画展の主題は「現代美術の皮膚」。美術手帳などで見て、気になっていた展覧会だったのだが、実際に見てみると、今ひとつピンとこない展示だった。それなりに興味深い展示もあるにはあった。し…

ダリ展

学部の友人裳野氏と、サントリー・ミュージアム[天保山]へ『ダリ展』を見にいってきた。僕はそれ程 Salvador Dali が好きではないな、ということの確認という部分も多かった。しかしやはり実物を見ると、例えば Dali の絵のマティエールはのっぺりした感じ…