リンク・フリー(3)

リンクに関する記述について

「リンク・フリー」に関して何か書くのならば、「リンク・フリー」と明示することの是非に関しても、今まで議論し尽されてきたことではあるが、一応書いておいたほうが良いだろう。

このことに関しては、下でも簡単に触れたが、日本においてはリンクの際許可を取るべきであるとの認識が広く広がっていることから、リンクの許可願いに逐次対応するのが面倒だという場合に、或いはこの自分のサイトは開かれたサイトである、ということを明らかにしておきたいといった場合に、「リンク・フリー」を明示することは妥当であるといえるだろう。

逆に「リンク許可制」に関していえば、どこからリンクされているのか把握しておきたいという人にとっては、「リンク・フリーですが、報告してもらえると嬉しいです」と書くよりも、「リンクされる場合は報告して下さい」と書いたほうが、実際に報告してもらえる可能性が高いという点では、有用であると思われる。

ただし、リンクを制限する文章は、実際的には一切の強制力を持たないという、一般的な解釈に従うと、これらの文章が本来意味するところの「勝手にリンクしないでくれ」という部分は、あくまでもリンクを貼る側がそれをどう捉えるか、という問題であるということになる。だから、「リンクの際は事前にメールを下さい」程度ならともかく、「無断リンク厳禁」などというのは、サイト管理者の越権行為ではないだろうか、ということも考えうるだろう。僕は、個人ウェブサイトというのは、管理人が法律で結構だと思っているので、このような記述をすること自体は、サイト管理者の自由であると思うが、あくまでもこれらの記述が単にサイト管理者の意思を伝えるだけのものであって、実際的な効力は一切持っていないということを、しっかりと認識した上でこれらの記述を行って欲しいと思う。

因みにこのブログに関しては、開かれたサイトであるということを明示しておいて、自由にリンクを貼って欲しいという思いと、リンクする場合は何らかの報告をして欲しいという思いを、両方とも表すために「このブログは原則的にフリー・トゥ・リンクですが、リンクして下さる場合は、事後で構いませんので一応、電子メール、コメント欄、トラック・バック等でお知らせ下さい。」という記述になっている。一般的に「リンク・フリーですが報告してください」というのは矛盾しているいわれているが、この場合は「原則的」という単語が入っているので、矛盾は生じていないと思われる。その代わり、なにか曖昧な感じになってしまっているが、僕の書く文章は大体が曖昧な言い回しなる傾向にあるので、ユウタ 3.21らしい文体だ、と思っていただければ良いかと思う。

リンクを貼る側は……

次に、リンクを貼る側は、わざわざリンクの許可を取る必要があるのか、ということについて考えてみることにする。なおここでは、リンク先のサイトは、企業サイトなど以外の趣味的に運営されているサイトに限定する。

上記と同じくリンクを制限することはできないという解釈に基づくと、リンクを貼る際許可をとるか否かということは、貼る側の認識の問題であると考えられる。では、その貼る側の認識は、どのようなものであることが好ましいのだろうか。

日本の一般的な慣習では、個人サイトにリンクを貼る際は事前に許可を取るべきだ、ということになっている。最近ではブログの普及などにより、事後のリンク報告という形も増えてきているように思うが、どちらにしてもリンクを貼る際は、相手側に何らかの報告を行うべきである、との認識は根強い。

こういった現状を考慮すると、相手がリンク報告を拒否している場合*1を除けば、個人サイトにリンクを貼る場合は何らかの形でリンクを貼るということを相手に伝えたほうが*2、相手に好印象を与えることが多いと考えられる。特に、相手サイトに「リンク許可制」や「無断リンク厳禁」といった記述がある場合は、その記述に従っておくことが、マナーとして適切であろう。

これらのことから、個人サイトにリンクを貼る際は、一部の場合を除いてリンクする旨を伝えたほうが無難であるといえるだろう。

「リンク・フリー」に関しては、多分もう一つぐらい記事を書くことになると思う。

*1:いうまでもないが、この拒否も実際的な強制力は持たない

*2:事前、事後の判断に関しては、相手サイトのリンクに関する記述や、サイトの形式(ブログであるかなど)、管理者との関係等によって個別に行うべきだろう