"Banco Del Mutuo Soccorso"

ここ1ヶ月程、以前にもましてCDの購入量が増えているのだが*1、その中で昨日届いたイタリアのバンド、バンコ・デル・ムトゥオ・スッコロソ*2のファースト・アルバムを是非紹介したいと思ったので、簡単に書くことにする。

まず度肝を抜くのがそのジャケットである。このアルバムは紙ジャケットなのだが、それがただの紙ジャケットではないのだ。まずはとりあえず写真をご覧いただきたい。

[『バンコ・デル・ムトゥオ・スッコロソ』の超変形貯金箱型紙ジャケット]

これがジャケットである。いくらなんでも変形過ぎるだろ、と突っ込みたくなるほどの変形ジャケットだ。う〜ん、素晴らしい。ある意味神ジャケットと言ってもいいかもしれない。

ただこのジャケットには欠点があって、解説書が入らないのだ*3。そこで仕方なく、配送時についてきた台紙にジャケットと解説書と帯を輪ゴムで纏めて*4、壁に立てかけて飾っている*5

また、このジャケットには、コインの投入部(このジャケットは貯金箱を模したものである)の厚紙を引き抜くと、メンバーの顔が出てくるという、意味があるのかないのか分からないギミックがついていたりする。解説書によるとバロック的な過剰さこそが、彼らの創作の源泉そのものなのだから野暮はいいっこなしであるとのことだ。

音楽の内容も素晴らしく、詳細なレヴューはいずれ改めするつもりなので、ここでは詳しくは述べないが、ひとことで言えばEL&Pをベースに、ムーディ・ブルース的なテイストを少し加えたオペラ風のロック、とでもいったところだろうか*6プログレッシヴ・ロック的な魅力にあふれた作品であり、イタリア語のヴォーカルと、オペラ的な雰囲気に抵抗がなければ、プログレ初心者にもお薦めできる(或いは『狂気』や『クリムゾン・キングの宮殿』以上に)作品ではないだろうかとおもう。

尚、国内盤とイタリア盤ではリマスターが異なるようである。力強い国内盤のリマスターに比べ、イタリア盤の方は繊細な音色になっているそうだ。僕は国内盤のリマスターには特に不満は持っていないが、購入される際は、一応好みによってどちらを購入すべきか気をつけた方が良いだろう。当然ながら、イタリア盤は上記の紙ジャケットがついてこないので、その点も比較の対象とされたい。

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*1:ここ1ヶ月強の間に買ったアルバムを列挙すると、Pink Floyd "Meddle" / Brian Eno "Before After Science" / Kiss "Alive!" / Frank Zappa "Weasels Ripped My Flesh" / King Crimson "Larks Tongues In Aspic" / Banco Del Mutuo Soccorso "Banco Del Mutuo Soccorso"の計6枚である。また、現在Devid Bowie "Ziggy Stardust"が入荷待ちの状態で、Discharge "Hear Nothing See Nothing Say Nothing"Gentle Giant "Free Hand"の購入を検討している。

*2:「共済銀行」の意。

*3:CDラックに入らないという欠点も確かにあるが、これだけのジャケットをラックにしまってしまうのはもったいないので、その点は問題ない。

*4:普通の輪ゴムでは野暮ったいので、外国製のカラフルな輪ゴムの内、クリーム色のものを使用している。

*5:「壁に立てかけて」以降の部分は仕方なくではなく、殆ど必然である。

*6:他に似たバンドとしてジェントル・ジャイアントが挙げられることが多いが、残念ながら未聴である。因みにこのアルバムを購入する際、もう一つ候補に挙がっていたのが、この当のジェントル・ジャイアントの『フリー・ハンド』だったりする。