分かりにくい映画である。しかし、この映画が「映画」である、ということはまぎれもない事実だと思われる。そしてその「映画」は何か異質なものとしての「映画」である。しかしこの映画は美しい。楽しく物悲しく、そして美しい。やはり私はフランス的な美しさに惹かれる自分を否定できない。
この映画で描かれる「気狂い」もまた異質なものである。私の精神と相対的でそう遠からぬ位置にありながら、どこか異質なものを感じる。
私にとって倫理とは何を意味するのだろうか。私にとって正気は何を意味するのだろうか。
2006/5/12
- 監督:ジャン=リュック・ゴダール
- DVD