合衆国における侵略の歴史と銃規制

アメリカ合衆国において銃規制に反対する際の主張として、銃は合衆国の文化や歴史と密接に関わっているから、というものがある。確かに合衆国の開拓の歴史は銃なしには語りえないだろう。だがそこでは、銃が関わってきた合衆国の文化,歴史のある側面が見落とされているか、あるいは見て見ぬふりをされている。

それは、侵略の歴史としての側面である。合衆国の開拓時代において銃は、いったい何に使われていたか。勿論、食糧を得るための狩猟の手段としての役割は大きかっただろう。しかしそれは同時に、先住民族*1を殺す道具としても使われていたはずだ。或いは黒人奴隷を従属させ、場合によっては殺害する手段としても使われていたかもしれない。

合衆国における銃の所持を、文化,歴史の名の下に肯定することは、こういった白人*2による侵略の歴史をも、肯定してしまうことになりかねない。銃規制について議論する際には、その点にもしっかりと触れるべきだろう。

*1:所謂アメリカ・インディアン,ネイティブ・アメリカン

*2:特にアングロ・サクソン