- 監督:押井守
この作品では CG を違和感を覚える程にまで用いることに依り、奇妙な現実感と虚構感が現れている。現実的表現と虚構的表現が入り乱れ、その境界線が曖昧になる。
この様な表現は、虚構コンテクスト*1の高いアニメーションという媒体でなければ、困難だろう。媒体の性質を利用し、媒体の可能性を広げ得る作品だと思う。
この作品の主題は、自分というものの境界線の曖昧さを感じている者にとって、非常に密接である。その不安定な感覚を、この作品は巧く表していると感じられる。
mixi 2006年7月11日
*1:cf.斎藤環『戦闘美少女の精神分析』