皮膚に,身体に訴えかけ,圧倒してくれるアートへの期待――「現代美術の皮膚」展

11月29日に、中之島国立国際美術館へ、友人2人と行ってきた。企画展の主題は「現代美術の皮膚」。美術手帳などで見て、気になっていた展覧会だったのだが、実際に見てみると、今ひとつピンとこない展示だった。それなりに興味深い展示もあるにはあった。しかし、なにか一番肝心なものが抜けているように思われた。

それはおそらく、マティエールだったのだろう。皮膚感覚に訴えかけてくるようなマティエール。「現代美術の皮膚」と謳っている以上は、こちら側の皮膚にも訴えかけてくる、そういった作品を期待していた。けれどもそこには、私の皮膚に訴えかけ、圧倒するに足る作品はなかった。そこにあった作品たちは、文脈を外れておかれても、まだ私に皮膚という主題を意識させるものであっただろうか。

1つ階を上がった常設展には、Wolfgang Tillmans の作品が展示されていた。かれの作品は、私の身体を圧倒してくれた。私はやはり、そういうものとしてのアートを望んでいるのだろう。それが必ずしも正しいのかどうかは分からないが。

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現代アートヴォルフガング・ティルマンス,ヴォルフガング・ティルマンズ,絵肌,質感