『冒険王・横尾忠則』展短評 ―― 契機、永遠かつ反復的な

横尾忠則氏の絵画は、わたしに解釈を促してくる。Friedrich Nietzsche の著作がそうであるように*1。かれの描く画面には、生成の,意志の,賭博の契機が現れている。永遠であるとともに反復的である契機が。意志をもたなければ、わたしはその前でただ圧倒されるのみである。

とにかく本展は素晴らしい。途中で三度の休息を入れなければ、見通せなかったほどである。ぜひ見に行かれたし。

*1:奇しくも、本展のポスターに使われている横尾氏の作品「ジュール・ヴェルヌの海」には、Nietzsch の肖像が引用されている。