水族館で生きものを撮る、ということ――Y.Ksmt22 氏 ‘A Little Aqua’ について

水族館で生きものを撮る、というのはどういうことだろうか。Y.Ksmt22 氏の組写真 ‘A Little Aqua’ を見ていて、そんなことを考えた。

生きものそのものを撮るなら、水族館という人工的な環境ではなく、自然の中で撮った方が、ぶがあるように思われる。だから、水族館で撮るならば、水族館という見せる装置を込みで撮るのが、順当であるだろう。

そして、Y.Ksmt22 氏の組写真は、その構図と色彩から感じ取られるワクワク感によって、そういった娯楽装置としての水族館というものを上手く撮っているのではないか、と思う。水族館らしい写真では、観客も写しこむことによって、そういった雰囲気を表現することが多いが、生きもののみを撮った写真でも、充分に見る側の視線を表現することはできるのだ。視線をもった媒体としての写真の面白いところである。

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