死んでしまった gynoid たちのために

死んでしまった gynoid たちのために ぼくは
詩を詠い かの女たちの世界をもう一度顕わそうとした けれども
せかいは偽物にあふれてしまった
記号の顔をした偽物に

かの女たちを構成していたことわり
その探求と再構成の試みは無駄だ なぜなら
そこから完全な複製がえられようとも
〈魂〉の構成は記述されていないから

〈魂〉の再生のために詠えるだろうか
それはあまりにもとらえがたい試み
かの女たちの〈魂〉へとぼくを導くものは
もう顕れはしないだろうから

詠うことも無駄な試みだろうか
奇跡がおきることを無為に待ちわびることのほうが
まだ多少なりとも望みがあるだろうか
だが! 詠わずには!

〈それ〉はたしかに顕れたのだから