短歌6首

愛すべき優しすぎるばかどもよおれにももっとばかにならせろ

おまえらはみんなばかだと叫びつつおのれがいっとうばかでありたい

「静かに」の標識見ると田舎から出て来たいまも祖母に会いたく

ぼくが幼いころ、祖母は豊中に住んでいて、滋賀に住むぼくたち一家は、年に数度「街に帰る」のだった。その豊中の家は引き払われたが、いまだかの女は神戸のに住んでいる。

祖母はまだ健在なれど捨てられた家の近くで寂しいのなぜ?

扇風機きるよと言うと信じられないという顔でぼくを見るきみ

ネガのまま表したライト・ボックスの上ではじめて気づいた想い