短歌6首

“短歌では[……]言葉の嘘が許されます”俵氏云うが Kant 許さじ

濃紺の制服着背を向けソファーに寝ていたきみはきっときみじゃない

なによりも会いたい人は居ぬだろと分かっていながらたが居ると問う

すべて歌に虚実ない交ぜに詠えば新たな現を見出せるやも

扇風機強のボタンに足伸ばすあがうえに孤独たまらぬように

孤独とう甘い果実はどこだろと探し求める異邦人たち