短歌14首

mixi に足跡ありし女の子足の形を想像しよう

もしかして待兼山から離れたら歌が詠めなくなるのだろうか

なにかから解放されたい気がするがいったいなにから解放されたい?

意味もなくリロード・ボタンをなん回も押して今宵の夢を恐れる

赤色の携帯電話を好むのは殺した愛を忘れぬように

内側に取っ手のついたティー・カップ ジャムにまみれた腐った指で

白い服鏡に映る白い服ぼくの紫許しておくれ

額縁のなかのキャンバス真っ白でぼくにほほえみでも真っ白で

おもしろきことなどなにもないけれど命を削り菱形を描く

山積みの壊れたキーボードの中に新世界よりの旋律を聞く

真っ白なキャンバスほほえみ誘ってる紫色はもうないのだよ

ドーナッツ色のかの女はいつ見ても偽乳なのかがよくわからない

雨音は黒いタールを想起さす軽みの籤を捨てた後には

それらしく超現実を気取ったが I could not be released