2012-01-21 覚めつつある呼吸器 詩歌 酒の覚めつつあるぼくの咽が咳払いをして 少しだけ憂鬱になってくる ぼくはあまり鼾をかかないが そのことに特別な理由を求めるのは きっと間違っている だから ぼくと並んで寝ている人たちの そのうちいくつかは鼾であるようやな寝息の いずれがだれのものなのか わざわざ布団から出て確かめる必要はない そう言い訳をしてぼくは かれらの寝息から意識をはずし 自らの呼吸に意識が向かうことも避け 覚めつつある咽から逃れるべくして 入眠を試みる