2012-01-21から1日間の記事一覧

覚めつつある呼吸器

酒の覚めつつあるぼくの咽が咳払いをして 少しだけ憂鬱になってくる ぼくはあまり鼾をかかないが そのことに特別な理由を求めるのは きっと間違っている だから ぼくと並んで寝ている人たちの そのうちいくつかは鼾であるようやな寝息の いずれがだれのもの…

双子「明日が来るならなにも要らない」*2

ここに双子の少女がいる 一人は世界を愛する 一人は世界を憎む 人は二人を見分けることができない 二人は同じように発する 二人は同じように振舞う 一人は世界への愛がゆえに 一人は世界への憎しみがゆえに 二人は同時に発する 明日が来るならなにも要らない…

ある朝

夢の中でぼくは あの銀行員の先輩のように まじめにスーツを着て 後輩どもと飲んでいた ああせめて無職であったならと ぼくは思ってしまったのだスピーカーは アンプの影響を受け 生硬い音で鳴っている (あるいはそれは ぼくの耳か頭のせいだろうか?)眠る…

ごみ捨て場の問題

ごみ捨て場の腐臭をうまく想像できないぼくに どうしてごみ捨て場の問題を語ることができるだろうか ましてやごみ捨て場に息づきうる生命について うまく想像できないぼくに だがぼくは それでも ごみ捨て場の問題について語ることを迫られる だからぼくは …