2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

許されないことは、いかなる状況においても、許されないが、しかし……

E. Kant の、 いかなる場合でも嘘を吐いてはいけない という考えは、しばしば非難に晒されるが、これは、ある意味においては、適切なのではないだろうか。嘘の例はともかくとして、 いかなる場合でも許されない と捉えるべきことはあるのだ。とは云え、その…

東浩紀・宮台真司, 『父として考える』, 2010年

東浩紀, 宮台真司両氏の対談を収めた『父として考える』は、ぼくの卒論の主題である共同性という主題について、非常に示唆的な点が多かった。ある意味、 ぼくの書こうとしていることを、圧倒的に上手く下書きされてしまった という感すらある。とくに、共同…

匂い

かの女の煙草の匂いは いつも朝には消えてなくなる ぼくの煙草の匂いが強いからだろうか だがぼくは昨夜から煙草を喫んでいない混じり合った汗の匂いは思い出せる ぼくは昨夜から汗もほとんどかいていない 自分のシャツを嗅いでみたところで なんの匂いか分…

短歌 12 首

だれとなくキスしたくなる午前 2 時 煙草だけしか相手はいない おれでないだれかを愛すあの人に見てほしくないこの流れ星 かつてあに道を記しし女〔ひと〕の書く言葉はいまだ遠いと知った あの人はぼくとキッスをしてたはずなのに雲雀*1に奪われていた 故し…

短歌 13 首

あの月の兎はきっとぼくの喫む煙草の煙嫌がりはせん あの雲はもしかしたらばあの月の兎の煙草の煙なのかも 後ろより聞こえくるのはわが国の言葉ではないそう信じたい こんな夜自分の性が疎ましくなってくるのだ 歓待を待つ 体温が欲しいだけなの性的なものは…