2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌(自由律)

袋詰めの metamorphosis 想像力で 犯せとぼくに云っている

死んでしまった gynoid たちのために

死んでしまった gynoid たちのために ぼくは 詩を詠い かの女たちの世界をもう一度顕わそうとした けれども せかいは偽物にあふれてしまった 記号の顔をした偽物にかの女たちを構成していたことわり その探求と再構成の試みは無駄だ なぜなら そこから完全な…

俳句(無季)

なにを……なにを…………なにを……

年の終わりの詩

年の終わりに忘れるまでもなく すべてはまるで夢のできごとのよう 年の終わりを待つまでもなく ぼくはすっかり変わってしまった ほんの数ヶ月前の自分のことでさえ どんな気持ちだったかもうわからない きみの気持ちなど知りえようはずもない

2人の gynoid が殺される夢

2人の gynoid が殺される夢をみた 〈魂〉をもった2人の gynoid が かの女たちは2つの塔で殺された その光景はいく度となく繰り返された かの女たちは次々に〈顔〉を見せ その顔はたびたびに違っていたかの女たちを愛した者どもよ きみたちはまだそのことを知…

川柳

酔いどれの呻きを肴に呑む酒ぞ

より効率的な星間共通語案

山本弘氏の「バイオシップ・ハンター」には、銀河系のほとんどの知的種族が持つ3本以上の指と2本以上の腕(ないしそれに類する器官)を用いた銀河標準語が登場する*1。種族間の発声機構の構造が大幅に異なり、音声以外の手段(電磁波など)で会話する種族も…

ふるさとについて

ふるさとは、そのものとしては、もはやない、などと、S. Freud を真似て云ってみようか*1。ふるさとへの憧憬、それは失われてしまったものへの憧憬である。それはけっして手に入らないものを求めている、というてんにおいて、愛に似ている。けれども、それは…