2010-09-05 匂い 詩歌 かの女の煙草の匂いは いつも朝には消えてなくなる ぼくの煙草の匂いが強いからだろうか だがぼくは昨夜から煙草を喫んでいない混じり合った汗の匂いは思い出せる ぼくは昨夜から汗もほとんどかいていない 自分のシャツを嗅いでみたところで なんの匂いか分からない甘いお菓子は食べつくしてしまった そもそも食べたくもない 甘い匂いの記憶が ぼくに胸焼けを起こさせるのだそして薔薇の匂いは消えない 赤い薔薇の匂いは消えない かの女の煙草の匂いはしない 薔薇の匂いがすべてかき消す