2006-06-21から1日間の記事一覧

『ロリータ』

作:ウラジーミル・ナボコフ 訳:大久保康雄 ロリータ・コンプレックスの語源として語られることの多い作品であるが、その実非常に文学的魅力に溢れた作品である。この小説の魅力は、その倒錯性よりも寧ろ、ハンバート・ハンバートという一人の男性の、優れ…

『機動警察パトレイバー 劇場版』

監督:押井守 ストーリーの展開は大変良く、観ていて飽きない。コンピューターの暴走の危険性や、警察と企業の体質などに問題提起したメッセージ性も、嫌らしさを感じさせず上手く取り込んでいる。 ただ、作画は個人的にあまり好みではなかった。機械や建造…

『ヒトクイマジカル』

作:西尾維新 登場人物がそろいも揃って自分の哲学を語ってしまっているあたりどうかと思う部分もあるが(個人的にはそういうのは好きなんで問題ないが)、この作品の不安定性は魅力的だと感じる。 今作で揺さぶりを掛けられた戯言使いが、次作でどのような…

『煙か土か食い物』

作:舞城王太郎 この作品の含む「純文学」的な主題(血、暴力、生死)は、戦後日本文学においては決して珍しいものではないだろう。しかしミステリという形式によって書かれたこの物語からは、独自の破壊力が感じられる。そしてそれは勿論ミステリという手法…

「そこそこの才能を持つ人2.0」

そこそこの才能を持つ人2.0 (too sweet to eat) 3,4はかすっている様に思う。3については文学、美術、音楽に手を付けたことがあり、現在も詩作を行っている。しかしそこに圧倒的なものは見出せないし、他の影響から頭を出すだけのオリジナリティも見出せな…

ミクシィ・ピックアップ(2006年6月上旬)

6月上旬のミクシィの日記よりピックアップ(一部加筆修正アリ)。