私の代わり



私に代わりがないということは
この鉛筆に代わりがないということと
然程変わりがないのかもしれない
そして現在私が存在する現実において
私の代わりが存在しないとしても
別の現実においては
存在しているかもしれない

しかし僕にとって私はあまりにも密接で
その僕との密接さにおいては
私の代わりは私の代わりにはなれないように思われる

だがこうもいえる
変わり続ける私は
その時点以外の私と等価ではない
認識の主体である僕と
認識の対象である私は
等価ではない
僕は私を知りえない
僕が私と密接である保証はどこにもない

私の代わりどころか
私自身さえ存在していないという可能性
僕はその可能性を認めながら
それが現実であるということを
無根拠にしかし絶対的に否定し続ける