- Lewis Carroll 作(1865年)
- 矢川 澄子 訳 (1990年)
- 金子 国義 挿画
- 原題 "Alice's Adventures in Wonderland"
独特のリズムを持った口語調の訳が、初めは若干違和感があるものの、読み出すと大変心地よい。「お話」としての原作を生かした素晴らしい訳である。以下冒頭の第三段落の一部を示す。
それだけなら、べつにどうってことないやね。またそのウサギが、「たいへんだ、たいへんだ、遅刻しそうだ!」ってつぶやくのがきこえたって、アリスは別にふしぎだとも思わなかった(あとから思いかえせば、これでおどろかない方がどうかしてると思ったものだけれど、そのときはまったくあたりまえのことみたいな気がしてね)。