私が夢の中で見た図形は、不可能な図形であった ならばなぜ私は、それを見たといえるのだろうか その不可能性は 二次元においては可能であるが 三次元においては不可能である騙し絵のような 或いはユークリッド幾何学においては可能であるが 双曲幾何学や楕円幾何学においては可能であるといったような 中途半端な不可能性ではなかった それは如何なる次元においても、絶対的に不可能な図形であったのだ だから私は今 その図形がどのような図形であったかいうことはできないし それを思い浮かべることさえできないのだ しかし私は確かにそれを見たといえることができる 私は私がそれを見たということを 絶対者が世界に対して持つであろう知と同じだけの確かさを持って いうことができるのだ 私は不可能な図形を見たということを